社長ブログ:CEOの考えるエンジニアの生きざま

CEOの津村です。
気まぐれにはなりますが、僕が会社を立ち上げるにあたって色々思った事を綴っていきますね。
もしよろしければ、シェアやコメントなどで忌憚のない意見を頂けると嬉しいです。

この1週間のお話ですが、僕自身の思っていても出来ていなかったエンジニアリングを突き通してみたら、お客様にとても納得頂いた案件があります。
詳細はもうすぐ事例としてご紹介できると思うので、少しお待ちくださいね。
しかし、ここ最近はそのようなクロージングが立て続いており、本当に「20年+n日の仕事なんだな…」と感じています。

今日は、弊社の実際の案件を通じた、本来の意味でのエンジニアの「生きざま」について書いてみたいと思います。

目利きのおばちゃん

僕は、高校生の頃からコンピュータを使って仕事をしていて、かれこれ20年になります。その中でSESとして常駐案件に従事した事も、自身を「案件をこなす道具」として売られた事もありました。
その中でとても幸いだった事は、エンドユーザを直接意識する事が多かったこと、そしてPCインストラクターやウェブ系のお仕事をしていた時に、いわゆる「おっちゃん」「おばちゃん」を相手にする事がとても多かったことです。

まず、彼ら、彼女らは、まずコンピュータに対面した時に、まずある種のアレルギー反応を起こします(笑)。
しかし、それらが「コンピュータ」という形では無くなった時、「安くてもとりあえずあると良いもの」「高くても価値のあるちゃんとしたもの」を目利きしようとします。
前者で言うと、例えば100均の材料などそうでしょう。3日で捨てるかも知れないけど、とりあえず欲しいものは100均で買いますよね。
逆に、車や家といった高い買い物や、例えば食事で家族の健康に気遣った時、本当に安いものを買うでしょうか。もちろん高くて良いものは沢山ありますが、それなりに安くて良いものを探すには、自ら「目利き」になる必要があります。

「おっちゃん」「おばちゃん」は、新しい物を理解する事には本当に抵抗がありますが、それが「自分にとって良い物」と理解したとき、本当にすぐにその本質を吸収します。

最近の事例では、エフエム和歌山でAmazon Web Servicesによる音声合成を使ったニュース・天気予報の放送を開始した事例があります。
AIアナウンサー”がラジオ放送 Amazonの音声合成技術で – ITMedia

実は以前、お店のラジオで初音ミクの曲が流れていた時の雑談でも感じていたのですが、これらは単純な技術の発達ではなく、「バーチャルアナウンサー」「バーチャルシンガー」として人に受け入れやすい形に技術が変わっていったのだと認識をしています。技術そのものは前からあり、それらを仮想の人の一部として実装した事に意義があります。
これにより「おっちゃん」「おばちゃん」は「ちょっと生の人と違うけど、自分を助けてくれる何か」としてそれらを受けられてきており、それにより、以前は「不気味の谷現象」とも呼ばれていた垣根が取り払われ、より技術が人に寄り添っていく方向に向かっているのだと思います。

多少コストが高くても価値のある仕事をしよう

さて、話は変わり「海外ではソフトウェアエンジニアが高給取りである」というお話は、アジャイルやDevOpsをきちんとかじった方なら誰でも知っている事実です。

日本ではIT業界は「3K」「5K」「7K」とも言われますが、海外ではコンピュータソフトウェアをソフトウェアとして言っている訳ではなく、「自分の人生を幸せにする仕組み」をソフトウェアと呼んでいます。ですので、ソフトウェアエンジニアは、あらゆる事を簡単にし、便利にし、ルーチンワークに対し人の手を介させない事の他、スマートスピーカーなどの開発により人のエンタテイメントに貢献することでも成果を出しています。日本ではLINEと資本業務提携したウィンクルが開発している、GateBoxなどが走りのプロダクトになるでしょう。
GateBox

なお、現実にはシリコンバレーと日本では文化や土壌のほか、雇用に関する法整備や社会保障などの違いがあり、一概に年収のみ比較する事はできませんが、日本でいうところの会社に雇用されているサラリーマンではなく、フリーランスとして独立したエンジニアが企業に属している形を想像して頂けると近いのかもしれません。

余談ですが、ウィンクルさんがGateBoxの前にクラウドファンディングで「AYATORI」という製品をリリースおり、実はパトロンとしてファーストユーザーなのですが、プレゼントした相手がもう片方のAYATORIを紛失してしまい、結果一度も試せていなかったりします。(笑)


世界一ロマンチックなスマホアクセサリー。あなたの大切な人の居る方向を指し示す。 – CAMPFIRE

さて、日本の商習慣は物販に対しての意識が強く、SESなど「人を代わりの効く道具か何か」として売っている習慣がありますが、これは本来あってはならない事です。それは人を現代での奴隷として扱っている事に、何も変わりはありません。よく物販で営業職をしていた方がエンジニア業界で同じ方法で営業をする事により、「人をモノとして扱う」という現象は起きていると聞き及びます。しかし、人は役務を通じてハードウェアを加工することにより、相手に付加価値を与えるソフトウェアの動物です。物販として時間や存在を切り売りする事は、本来は人道的に許されない行為なのではないでしょうか。

エンジニアは職種ではない、生きざまである

さて、ではエンジニアでなければ、他人の生活の改善をしてはいけないのでしょうか。
この答えは自分の中ではNoで、これは人である限り全員に課せられている役務と考えています。これを宗教的に言うのであれば、「神が知的動物に対し与えた命題」とか言うのかもしれませんね。

ではエンジニアはどのように他人の生活を改善するのかというと、「論理的」「技術的」という言葉が続くのだと思います。

自分がよくやるやり方の1つなのですが、ルーチンワークの1つとして、例えば「1枚の紙に1~100までの数字を書き出してください、それを1日で100回やってください」という仕事があるとします。
現実にはこのルーチンワークが「200室のホテル客室の掃除」とか、「工場での流れ作業」等と考えるとわかりやすいと思います。

自分が思いつく限り、これには2つのやり方があります。

1つは、1日に20回同じ仕事を出来る人を5人雇い、1日で100回クリアします。
もう1つは、確実に出来た結果をコンビニのコピー機で100枚コピーします。

身も蓋もない話かもしれませんが、前者は何も考えず物量で考え(物販)、後者はルーチンの最適化を技術的に改善し効率化した話(役務)としてとらえて貰えるとわかりやすいと思います。

しかし、この仕事をオーダーした人は、方法は関係なく、本来は自分がやるべき仕事を何かしらの理由で他の方に同じ結果の仕事を頼んだだけの話だったりします。

さて、ではコストの話をしましょう。
人は平等に、1日5万円のコストが掛かるとします。前者は5人日なので、25万円かかってこの仕事をこなしていますよね。
一方、後者は1回のルーチンワークと、コピー100回で終わっています。コピー1枚10円として、1000円+1人日5万円のコストで済んでいます。
では、前者と後者に差額19万円もありますが、これは効率化をして付加価値を生んだ人に報酬(価値)を与えるべきです。仮にそれを10万円としても、依頼主は9万円も得をしています。

ここで言う、「計算作業にコピー機を使う」という発想をする人が自分の考える本来のエンジニアであり、現実にこの発想にたどり着く人が日本ではとても少ないのが現状です。
これを論議すると、よく「根性論」という言葉が出てきます。確かに日本人は、何をするにしても「熟練した人が手でやったものが確実である」という考えを拭えていないでしょう。しかし、それでは先に書いた「人をモノとして扱う」という考えを拭いきれない部分を感じます。繰り返しますが、人は役務により付加価値を作る動物です。

もちろん、これらを日本の文化や土壌にそのまま持ち込むことは難しいかもしれませんが、現実に世界というフィールドで観たとき、どちらの方がより自身にメリットのある考え方なのでしょうか。
実際、シリコンバレーの方に目が行きますが、昨今の深センをはじめとする中国のスマホ普及によるQRコード決済や自動翻訳などの文化や技術の向上はとても目を見張るものがあります。

そして、最初に書いた「ソフトウェアエンジニアは高給取りである」という考え方に戻ってくると思います。新しい道具を使い、新しい方法を思いつき、より早く、正確に、安いコストでルーチンワークをこなす事は、本来のエンジニアの役務であり、より世界の人々を幸せにする事です。僕はこれを「エンジニアの生きざま」だと思っています。

根性論の根本は精神性の育成

もちろん根性論にも一理はあり、人が1つの物事を通じてメンタリングを育むには、そこに根性を用いた努力が必要です。メンタリングとは学校などの学習教材で学ぶことは出来ない部分であり、自分自身の肌身で吸収し、考え、試していくルーチンが必要です。

例えば学校で「野球に打ち込んだ」「弓道に打ち込んだ」「剣道に打ち込んだ」というのは、本来は競技のスキルを上げる事が目的ではなく、それらを通じてメンタリング(精神性)を学び、学習する場であると思っています。なので、僕は「部活がんばりました!」「サークル頑張りました!」「資格試験がんばりました!」という事を必死にアピールする人を実はあまり信用していません(笑)。それらの過程を通じて、自分がどのような精神性や考え方を持っているのかについて9割以上の時間を使ってディスカッションする人と会いたいです。
ちなみに、僕は文系の部活で理系の学校を出ているのですが、体を動かすのがニガテというだけで、けっこう体育会系のノリは気にいっています。(笑)

今の日本の土壌では、将来生きていけない人が育つ

僕は今の日本の社会に対して、危機感を抱いています。それは、エンジニアの社会において、いまだに「エンジニアという肩書がゴール」であり、「その為に結果(資格試験など)を出す!」という考え方が残っていることです。
しかし、それでは先に書いたメンタリング(精神性)が育つことはなく、むしろ「誰も挑戦をしない」「長時間働いた根性のある人の方に価値がある」という考え方に繋がるのではないでしょうか。
しかし、自分は20年間それらの道も辿った結果行きついたのが、「エンジニアの肩書はあくまで手段であり、本来は目の前の相手の負担をラクにする事」であると感じます。

これらの現実を改善する為には、付加価値を正しく認めて報酬を与える社会の実現だと思います。「短時間で正しく結果を出した人に価値がある」、これだけではないでしょうか。
今、日本が間違って実施している「リモートワークの推進」や「残業時間の削減」「早朝出勤」ではありません。これらは本当に逆効果であり、先から書いている「ゴールと手段の入れ替え」に過ぎません。

原理原則論だけでは本当に戦えない時代

僕はIT業界において「インフラエンジニア」と都合上名乗る事が多いですが、本当は正しくありません。もしかすると自分は「フルスタックエンジニア」と呼ばれるかもしれませんが、これも一時期の市場におけるバズワードであり、適切では無いでしょう。おそらくは「あなたはエンジニアではなくビジネスマンだ」と言った誰かが正解なのかもしれません。

僕は、コンピュータネットワークにおける通信インフラ(携帯通信網やインターネット等)を使った課題解決を以って、クライアントに付加価値を与える事を生業としています。
では通信インフラ、よくある話だと「OSI参照モデル」であったりとか「TCP/IP」であったりとか、「Ethernet」とか、そういった技術スキルで成り立っているかというとこれはあくまで原理原則論であり、これだけでは全く役に立ちません。

例えば「屋外イベントでWiFiを提供して、よりイベントをソーシャルに発信して貰うことでイベントに貢献をして欲しい」というイベント主催からの要望があったとしましょう。

実際のこのようなマーケティング要件は最近多いですが、実はこの課題の解決に必要な知識のほとんどはコンピュータの技術ではありません。

  • ソーシャル連携を行う事による、参加者へのエンゲージメントの設計(マーケティング・企画)
  • 当日の運営スケジュールとスタッフアサインの調整
  • 天候および会場状況による施設上の制限
  • WiFiの設営と運用に掛かるコストの計算(財務・会計)
  • 日本の法律では5GHz帯の電波の屋外利用は禁止されている(法務)
  • 資産の購入と償却について(税務・会計)
  • 屋外イベントにおけるスマートフォンユーザの課題の解決(マーケティング)

思いつくだけで、これらの課題をインフラエンジニアは現場で解決しており、これら非機能要件の検討の後にはじめて技術要件の定義が始まります。

これを従来のエンジニアが解決するとして、例えばCisco Systemsのネットワークエンジニア向けの資格試験である「CCENT」や「CCNA」を取得しているだけのエンジニアが解決できる課題でしょうか。
例えば「通信帯域の確保」「電源の確保」「機器の確保」「機器設定の検討」を先に始めてしまうエンジニアはとても多く、自分もこの過ちに何度も当たりました。しかし、本来は非機能要件を先に満たしてからではないと機能要件は成り立たず、これを前提にしなければイベントの遂行も何もあったものではありません。(笑)

現実のビジネスの現場でのニーズや課題解決はこのような形の場合が多く、「ただ要件に合った物を間違っていても正しく作る」という従来のウォーターフォールタイプに特化した受託開発エンジニアは、今後クライアントがきちんとリスクを考えた時に、投資してくれなくはなるでしょう。

実際の現場の話

さいごに、最近の案件でのお話をしましょう。最初にお話しした、ちゃんとした弊社の実話です。
詳細は近日、きちんと事例としてまとめますので、お待ちください。

  • 会議室でWiFiが届かない日がある
  • 業者さんが機器を取り付けてからネットワークが遅くなった気がする
  • ストリーミング映像が遅い・止まる

これらは実際にお客様が訴えられた現象です。

しかし、これらの先には以下の課題の本質が隠れています。

  • 自社の会議室なのに、パソコンが原因でビジネスチャンスのロストがある
  • 業者コントロールに不備を感じているが、自信が無い
  • コンピュータが遅いから業務が滞る

これらはすべて、技術ではなくビジネス・経営上の課題です。

これらの根本を調査すると、不適切な機器の設置・運用による通信インフラの不安定さが根本原因でした。また、関連する業者さんが不適当な機器を使いネットワーク拡張を行ったことにより、より通信環境が悪化している現状もありました。

これらの課題を、通信インフラを以って課題解決した結果、弊社リトルビッツは今後5年間(資産の減価償却期間)の安定運用を視野に入れたネットワークの刷新を提案し、ご納得いただいた上で実行・納品しました。
結果、お客様は通信インフラに詳しくはありませんが、目に見えて業務が改善した、とのお言葉を頂くことができました。

また併せて、私たちは今後の保守契約を無理強いせず、瑕疵担保期間中の無償のメンテナンスをお約束。
そして正しいドキュメンテーションを納品した事により、「今後他のネットワークインテグレータが提案する時を想定し、正しく現状や結果を残す」というタスクを行いました。よくあるパラメータシートや機器コンフィグの提出のみではなく、以下の成果物を納品いたしました。

  • 事前現地調査結果レポート
  • 設計書・パラメータシート
  • 機器に投入したコンフィグ
  • 工事報告書・事後現地調査レポート

これらの結果には、無線サーベイによる電波状況や通信クォリティの調査の結果も含まれ、数値や図面を以って作業結果を記しています。また、紙面による納品に併せ、PDFファイルによるデータ納品も行いました。

お客様の問題の根本解決を行い、その過程や設計思想をすべてドキュメントとして納品を行った結果、お客様から本当の意味での喜びの声を頂くことができました。

何度も繰り返しますが、私共リトルビッツは本当の意味での「通信インフラのスペシャリスト集団」です。それにより、決して安くはない金額ではありますが、クライアントの課題の根本を解決し、クライアントが安心して快適に業務に打ち込むことができ、結果出来る事であればそれにより経営改善に繋がれば幸いです。

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